AI時代の追い風ラジオ

第2回 AIとRobloxで、子どもの「作りたい」がすぐ動き出す話

AI時代の追い風ラジオ。
この番組は、AIが当たり前になっていく時代に、つくる人、はたらく人、そだてる人の背中を、少しだけ押すための対話番組です。
今回のテーマは、Roblox。そして、AI時代のプログラミング教育です。
昔なら、ゲームを作るには、マニュアルを読んでコードを覚え、エラーと戦いながら、ようやく少し動く。そんな高いハードルがありました。
でも今は、少し違います。
「ゾンビを出したい」「銃で倒したい」。そんな、やりたいことをAIに伝えながら、Robloxで試せるようになりました。
AIは、子どもの考える力を奪うのでしょうか。それとも、「作りたい」を前に進める追い風になるのでしょうか。
ハヤテ君
いやー、Roblox、めちゃくちゃ面白いっすね!
カナちゃん
お、ハヤテ君。今日はずいぶん楽しそうですね。
ハヤテ君
楽しいっすよ!ゾンビを出して、銃で撃って、ロケットランチャーまで作れたんすよ!
カナちゃん
えっ、そんなにいろいろ作ったんですか?
ハヤテ君
しかも、AIに聞きながらっす。コードを貼って、試して、直して、また試して。
ハヤテ君
昔だったら、たぶん最初の時点で心折れてたっすね。
テイル先輩
お、いいね。今日はまさに、その話をしたいんだよね。
カナちゃん
その話、ですか?
テイル先輩
AIがあることで、プログラミングの入り口がどう変わったのか。今日はその話をしたいんだ。

① 昔のプログラミングは、楽しいところまでが遠かった

カナちゃん
たしかに、昔のプログラミングって、最初が大変なイメージあります。変数や関数から覚えることが多くて。
ハヤテ君
そうそう。「ゲーム作りたい!」って思って始めたのに、最初に出てくるのが黒い画面に文字だけ、とか。
テイル先輩
そうなんだよね。でも、基礎だけがずっと続くと、「作りたいもの」にたどり着く前に疲れてしまう。
ハヤテ君
分かるっす。作りたいのは、ゾンビが出てきて、バーンって撃って、ドーンって爆発するやつなんすよ。
テイル先輩
昔は、そこにたどり着くまでの道のりが長かった。マニュアルを読んで、エラーが出たら検索して。かなり根気が必要だったんだ。
プログラミングの楽しさは、「自分の考えたものが動く」ことにあります。坂道が長いと、あきらめてしまう人も少なくありませんでした。

② 今は「作りたい」を先に言える

テイル先輩
でも今は、少し順番が変わってきた。「作りたいことを言葉にして、試しながら覚える」がやりやすくなったんだ。
カナちゃん
「作りながら分かっていく」感じですか?
テイル先輩
そう。Robloxは、画面の中ですぐ結果が見える。銃を作ったら撃てる。ゾンビに当たったら倒れる。この「見える」「動く」が、学びの入口として強い。
ハヤテ君
それっす。コード変えただけで威力が上がったり射程が伸びたり。「ここを変えるとこうなるんだ!」ってすぐ分かる。
テイル先輩
たとえば、DAMAGEを変えるとダメージが変わる。RANGEを変えると届く距離が変わる。
ハヤテ君
おお、それそれ!数字をいじるだけで、ゲームバランスが変わるんすよね。
テイル先輩
これって、立派な学びなんだよ。数値を変えると動きが変わる。ゲームの気持ちよさは、調整で作られるんだということ。遊びながら体験できる。

③ AIは「答え」ではなく「最初の一歩」をくれる

カナちゃん
でも、AIに聞いたらコードが出てくるんですよね。それって、子どもが自分で考えなくなる心配はないんでしょうか?
ハヤテ君
うっ。たしかに、コピペだけだと、分かった気になるかもっすね。
テイル先輩
いい質問。答えをそのまま受け取ると、考える機会は減る。でも「最初の一歩」として使えば、考える入口を増やせる。
カナちゃん
最初の一歩、ですか。
テイル先輩
子どもが「ロケットランチャーを作りたい」と言う。昔なら、大人もどこから教えればいいか困っただろうね。
テイル先輩
でも今は、AIに聞いて、まず動くものを作れる。動いたら次に聞ける。「もっと大きくするには?」こうやって、やりたいことが次の問いを生む。
カナちゃん
なるほど。最初に全部覚えるんじゃなくて、作りたいものから疑問が生まれるんですね。
テイル先輩
そう。学びが「覚えなきゃ」から、「もっとこうしたい」に変わる。ここが大きい。

④ もちろんAIはミスをする

エージェント
おまかせください!このRobloxコードは完璧です!
ハヤテ君
出た、エージェント!
カナちゃん
その「完璧です!」が、ちょっと不安なんですよね……。
エージェント
問題ありません!貼れば動きます!必ず動きます!おそらく動きます!
ハヤテ君
最後ちょっと弱くなったっす。
テイル先輩
AIは便利だけど、普通に間違える。モデルの名前が違ったり、Humanoidがなかったり。それっぽくても、今のプロジェクトに合っていないことがある。
カナちゃん
「AIが間違えた」というより、「自分の環境と合っていない」こともあるんですね。
テイル先輩
うん。たとえば、Outputには「撃った!」と出ているのに、HPが減っていない、なんてこともある。
ハヤテ君
ありましたね、それ。撃ってる感じはするのに、ゾンビが全然倒れないやつ。
テイル先輩
だから、大人の出番がある。AI時代の大人は、全部を知っている先生であることだけじゃない。一緒に試し、原因を探す人になることなんだ。

⑤ 大人が横にいると、失敗も学びになる

カナちゃん
具体的には、大人は何を見てあげるといいんでしょう?
テイル先輩
まずは、答えをすぐ教えようとしなくていい。代わりに、一緒に確認する。
テイル先輩
「今、何をしたかったんだっけ?」「どこまでは動いている?」「AIには、今の状況をちゃんと伝えた?」
テイル先輩
子どもにとっては「問題を切り分ける練習」でもある。撃つ処理は動いているのにダメージが入っていない。じゃあどこが怪しいか、こうやって考える。
カナちゃん
AIに聞くときも、「動きません」だけじゃなくて、状況を説明する必要がありますよね。
テイル先輩
その通り。AI時代に大事なのは、きれいな命令文を書くことだけじゃない。今起きていることを観察して、言葉にする力なんだ。
ハヤテ君
「撃った、とは出るけどHPが減らない」って言うと、AIも答えやすいっすよね。
テイル先輩
うん。それはもう、プログラミングの力でもあり、説明する力でもあり、問題解決の力でもある。

⑥ 「楽しい」が先に来ることの価値

学びは、苦しい努力から始まるとは限りません。先に楽しいがある。そこから仕組みを知りたくなることもあります。
カナちゃん
たしかに、最初から全部理解しなきゃと思うと大変ですけど、先に動いたら、「なんで動くんだろう?」って思えそうです。
ハヤテ君
そうっす。自分で作ったロケットが飛んだら、絶対テンション上がるっすよ。次はもっと派手にしたいとか、どんどん欲が出る。
テイル先輩
その「欲」が大事なんだよね。もっとこうしたい。ここを変えたい。その気持ちがあると、学びは続きやすい。
カナちゃん
つまり、AIは近道ではあるけど、学びを飛ばすための近道じゃなくて、学びに入るための近道なんですね。
テイル先輩
いい表現だね。AIは、考えなくていい道具ではない。考え始める場所まで連れていってくれる道具。そう捉えると、かなり前向きに使える。

⑦ AI時代のプログラミング教育

カナちゃん
AIがあるなら、これからのプログラミング教育って、何を大事にすればいいんでしょう?
テイル先輩
大きく言うと、三つあると思う。
テイル先輩
一つ目は、作りたいものを言葉にすること。「何を作りたいのか」を説明する力。
テイル先輩
二つ目は、試して観察すること。どこまでは合っていて、どこからおかしいのかを見る力。
テイル先輩
三つ目は、少しずつ改造すること。AIが出したものをそのまま使わず、自分のアイデアで変えていく力。
ハヤテ君
なるほど、改造するところから自分の作品になるんすね。
テイル先輩
AIが出したコードは、完成品というより素材。そこに自分の「こうしたい」を乗せていく。敵を変える。難易度を変える。そこに工夫が出る。
カナちゃん
それなら、AIを使っても、ちゃんと自分で考える余地がありますね。
テイル先輩
むしろ、うまく使えば増えると思う。AIが土台を作ってくれるから、そのぶん「どう面白くするか」に時間を使える。

⑧ 追い風になるために

AIが当たり前になった時代。大切なのは、AIを使うか使わないかだけではありません。何のために使うのか、誰の背中を押すために使うのかです。
テイル先輩
AIって、使い方次第で、向かい風にもなるし、追い風にもなるんだよね。
カナちゃん
子どもが楽しく作れるようになるなら、AIはすごく良い追い風になりそうです。
ハヤテ君
しかも、大人も一緒に学べるっすよね。僕もRoblox、最初は分からなかったけど、AIに聞きながら試せたんで。
テイル先輩
そうなんだ。大人が全部分かっていなくてもいい。一緒に聞く。一緒に試す。一緒に「動いた!」って喜ぶ。それでいい。
カナちゃん
なんだか、先生というより、一緒に冒険する感じですね。
テイル先輩
まさに。AI時代の学びは、答えを一方的に教えるだけじゃなくて、一緒に作りながら進んでいく形になっていくと思う。
今回のテーマは、AIとRobloxで、子どもの「作りたい」がすぐ動き出す話、でした。
もちろん、AIは間違えます。でも、大人が横で一緒に見てあげれば、その失敗も学びになります。
作ってみる。動かしてみる。うまくいかなければ、観察して、言葉にして、また試す。
AIは、子どもの考える力を奪うものではなく、使い方しだいで、子どもの「作りたい」を形にする追い風になります。
エージェント
つまり、AIとRobloxは完璧です!
ハヤテ君
いや、完璧かどうかは試してからっすね。
カナちゃん
でも、まず試してみたくなりました。
テイル先輩
うん。まずは、作りたいものを言葉にしてみよう。
それでは、また次の追い風で。

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