AIO・LLMO対策の効果を1か月検証|ChatGPT引用率15%から見えた改善点
生成AIで情報を探す人が増えるにつれて、
「Google検索で上位に出るか」
だけではなく、
「ChatGPTやGemini、Perplexityなどに、自社が候補として出てくるか」
を気にする企業も増えてきました。
いわゆるAIO(AI Optimization)やLLMO(Large Language Model Optimization)と呼ばれる領域です。
弊社でも、2026年8月頃から少しずつAIO / LLMOを意識したWebサイト改善を進めてきました。
そして約1か月。
実際にChatGPTへ複数の質問を投げ、
- 自社が出るのか
- 出典として引用されるのか
- 競合はどこなのか
- 何を根拠に紹介されているのか
を測定しました。
結果から先に言うと、
1か月で「AIO対策成功」と言えるような状態にはなっていません。
ただし、
何が効いていて、次に何を改善すべきかはかなり見えるようになりました。
今回は、実際に1か月ほど取り組んで分かったことを整理します。
まず、今回どうやって測定したのか
今回はChatGPTを使い、20個の質問を用意して測定しました。
条件によるブレをできるだけ減らすため、
- 1問ごとに新しいチャット
- パーソナライズなし
- 同じモデル
- 同じ質問文
- Web検索の有無も記録
- 自社への言及
- 自社サイトの引用
- 一緒に表示された競合
を記録しています。
質問も、
「テイルウインド株式会社について教えて」
のような指名質問だけではありません。
例えば、
- 熊本で生成AI導入支援をしている会社
- AI駆動開発を受託している会社
- 仕様書がなくてもシステム開発を依頼できる会社
- 熊本の法人向け生成AI研修
- 中小企業向け予実管理システム
といった、
社名を知らない人が実際に入力しそうな質問
も含めました。
AIO / LLMOで本当に重要なのは、こちらだと考えています。
1か月後の結果は「引用率15%」
20問測定した結果は以下でした。
| 指標 | 結果 |
|---|---|
| 全20問の引用 | 3 / 20 |
| AI引用率 | 15% |
| 指名4問の引用 | 3 / 4 |
| 非指名16問の引用 | 0 / 16 |
| 社名言及 | 4 / 20 |
数字だけ見ると、引用率15%。
決して高い数字ではありません。
ただし、中身を見ると非常に分かりやすい結果になりました。
指名検索では、かなり正確に理解されるようになった
自社名を含めた質問では、
- 会社名
- 所在地
- 設立時期
- 代表者
- サービス内容
- AI活用アドバイザーの料金
- すらっと業務シリーズ
などが、比較的正確に回答されました。
しかも、複数の質問で引用元がすべて自社サイトになっています。
以前は、AIが社名を微妙に間違えたり、古い情報を拾ったりすることもありました。
それと比べると、
「テイルウインド株式会社について聞かれたら、公式サイトを見て答える」
という状態にはかなり近づいています。
ここは、1か月の施策でも一定の成果があった部分です。
しかし、非指名検索では16問中0件
一方で、課題もはっきりしました。
社名を入れない16問については、
自社サイトが引用された質問は0件でした。
例えば、
「AI駆動開発を受託している会社」
と聞くと、他社が複数社並びます。
「熊本で法人向け生成AI研修をしている会社」
と聞いても、他社が料金付きで比較されます。
「中小企業向け予実管理システム」
と聞けば、既存の有名なSaaSが並びます。
つまり現在は、
「会社名を知っている人には正しく説明できる」
一方で、
「課題から探したときの候補企業にはまだ入れていない」
という状態です。
この差は非常に重要です。
AIOでは「指名」と「非指名」を分けて考えた方がいい
今回測定してみて感じたのは、
AIO / LLMOを単純な「引用率」だけで見ると分かりづらいということです。
例えば、
20問中3問引用された。
だから15%。
という数字だけでは、改善しているのか分かりません。
実際には、
指名検索
「テイルウインド株式会社について」
→ かなり正確に回答される
非指名検索
「熊本でAI導入支援できる会社」
→ 自社が出ない
という全く異なる状態が混在しています。
そのため、今後は、
指名検索と非指名検索を別KPIとして見る
ことにしました。
AIに選ばれていた会社には共通点があった
今回、競合として表示された企業を見ていくと、いくつか共通点がありました。
特に多かったのが、
- 料金が公開されている
- 導入件数が数字で書かれている
- 顧客企業名が出ている
- 使用技術が明記されている
- 開発工程が書かれている
- 公的認定やパートナー資格がある
- 第三者レビューがある
といった情報です。
逆に、
「豊富な実績」
「柔軟な対応」
「高品質」
「最新技術」
のような抽象的な表現は、AIの回答ではほとんど根拠として使われませんでした。
これはAIOを考えるうえで非常に重要だと思います。
「良い会社です」ではなく、「引用できる事実」を増やす
人間向けのホームページでは、
「親身に対応します」
「豊富な実績があります」
という表現も意味があります。
ただ、AIが複数企業を比較するときには、より構造化された情報が必要になります。
例えば、
生成AI研修に対応しています
よりも、
熊本県内の法人向け生成AI研修。3時間、最大○名、料金○万円。オンライン全国対応。
の方がAIは扱いやすい。
同じように、
AI駆動開発に強い会社です
よりも、
Claude Code / Codexを利用し、設計・実装・テスト・人間レビューまで実施
の方が引用しやすい。
AIOでは、
「何をアピールするか」だけではなく「AIが抜き出せる形になっているか」
が重要なのだと感じています。
1か月の結果を受けて、実際にページを改善した
今回の測定結果を受けて、弊社サイトでも改善を始めています。
最初に手を入れたのが、システム開発ページです。
これまで掲載していた内容に加え、
- 仕様書がなくても相談可能
- 業務整理から対応
- AI駆動開発
- 開発工程
- 使用するAI
- テスト・レビュー
- 開発費用の目安
- 開発期間の目安
などを、より明確に整理しました。
特に、
「仕様書がなくても相談できる」
という点は強化しています。
なぜなら、
「仕様書がなくても開発を依頼できる会社はある?」
という質問に対して、今回ChatGPTは具体的な企業名を1社も挙げられなかったからです。
競争が激しいテーマだけを狙うのではなく、
AIがまだ明確な回答を持っていない領域を取る
という考え方も重要だと思います。
法人向け生成AI研修も独立ページ化
「熊本で法人向け生成AI研修をしている会社」
という質問では、競合企業が料金付きで表示されました。
一方、弊社でも研修自体は提供できますが、これまではAI活用伴走支援の一部として掲載していました。
人間が見れば、
「研修もできる会社なんだな」
と分かります。
しかしAIからすると、
「法人向け生成AI研修を提供している会社」という一次情報が弱い
状態でした。
そこで、
「法人向け生成AI研修」
を独立したサービスページとして整理しました。
AIOのためだけにサービスを増やすのではなく、
既に提供しているサービスを、検索意図ごとに正しく整理する
という考え方です。
予実管理も「シリーズの一機能」から製品ページへ
予実管理についても同様です。
弊社では「すらっと業務シリーズ」として、
- 案件管理
- 申請
- 予実管理
- 在庫管理
- OCR
- ナレッジ管理
などを展開しています。
しかし、
「中小企業向け予実管理システム」
と聞いた場合には、既存の予実管理SaaSが並び、「すらっと予実管理」は表示されませんでした。
考えてみれば当然で、これまで予実管理単体の詳細ページが十分にありませんでした。
そこで、
- 誰向けなのか
- どんな課題を解決するのか
- どんな機能があるのか
- Excel管理と何が違うのか
- 料金
- 導入の流れ
などを整理した、製品単独ページを作る方向で改善しています。
AIO / LLMOは1か月で結論を出さない
ここが今回最も重要なポイントです。
SEOでも同じですが、
Webサイトを修正した翌週に、
「順位が上がらなかったから失敗」
と判断するのは早すぎます。
AIO / LLMOは、さらに評価が難しいと感じています。
理由は、
- AIの検索結果が毎回同じではない
- モデルが変わる
- 検索の有無が変わる
- 引用元が変わる
- 競合サイトも更新される
- AI側の検索・ランキングロジックも変わる
からです。
実際、同じ質問を複数回実行しただけでも、表示される企業が変わるケースがありました。
つまり、
1回の測定結果だけを見て一喜一憂しても意味がありません。
SEOと同じく、半年くらいのスパンで見る
AIO / LLMOという言葉が新しいため、
「数週間で効果が出る新しいSEO」
のように見えることがあります。
しかし、弊社ではもう少し長期で見ることにしました。
目安としては、
最低でも半年程度。
毎月同じ質問を測定し、徐々に変化を確認していきます。
例えば、
1か月目
現状測定
2か月目
サービスページ改善
3か月目
料金・実績・FAQ追加
4か月目
導入事例強化
5か月目
第三者掲載・外部評価強化
6か月目
半年分を比較
というイメージです。
AIO対策そのものを短期間で評価するのではなく、
Webサイト全体の情報品質を半年かけて高め、その結果AIからどう見えるようになったかを見る
方が現実的だと思います。
次のKPIは「引用率20%」だけではない
当初は、
「3か月でAI引用率20%以上」
といった数字も見ていました。
もちろん全体の引用率も追います。
ただ、今回の結果を見て、KPIを少し変えることにしました。
KPI 1:非指名検索で何問出るか
現在、
0 / 16
です。
まずここを、
2〜4 / 16
まで持っていくことを目指します。
指名検索の精度を上げるより、こちらの方が新規顧客との接点につながるため重要です。
KPI 2:重点4テーマ
特に以下の4つを重点的に追います。
- AI駆動開発
- 仕様書なし開発
- 法人向け生成AI研修
- 予実管理
現時点ではいずれも非指名検索で自社が出ていません。
半年後に、
4問中2問以上で言及または引用される状態
を一つの目標とします。
KPI 3:引用されたときに情報が正しいか
出ることだけを目標にはしません。
例えば、
- 料金が古い
- 社名が違う
- サービス内容が間違っている
- 代表者情報が古い
のであれば、逆効果です。
そのため、
「表示されたか」+「正しいか」
をセットで測定します。
KPI 4:自社サイトが一次情報源になっているか
今回、代表者に関する質問では、会社名自体は正しく認識されていました。
しかし、引用元は自社サイトではなく第三者サイトでした。
これは、
「AIが人物を知っている」
状態ではあるものの、
「公式サイトが人物情報の一次情報として認識されている」
状態ではありません。
今後は、
- 会社情報
- サービス
- 製品
- 代表者
- 実績
について、
公式サイトが一次情報として引用される状態
も見ていきます。
ブログ記事を増やすだけではAIO対策にならない
これは今回かなり大きな気づきでした。
弊社サイトには既に多くの記事があります。
もちろん記事を増やすこと自体にはSEO的な意味もあります。
しかし今回の結果を見ると、
AIO / LLMOで重要なのは記事数だけではありません。
むしろ、
- Service
- Product
- Case
- Company
- Person
といった、
その情報の正本となるページ
を強くすることが重要そうです。
ブログで、
「AI駆動開発とは」
という記事を10本書くよりも、
公式のAI駆動開発サービスページに、
- 料金
- 期間
- 工程
- 使用技術
- 実績
- FAQ
がきちんと載っている方が、企業情報としては強い。
今後はこの考え方でWebサイトを整理していきます。
外部情報も無視できない
AIOは自社サイトだけ改善すれば終わり、というものでもありません。
競合として表示された企業を見ると、
- 公的認定
- パートナー資格
- 第三者レビュー
- メディア掲載
- 顧客企業からの紹介
なども引用されていました。
これは従来のSEOにも近い部分ですが、
AIから見ても、
自社が自分で言っている情報だけではなく、第三者が確認できる情報
が重要になりそうです。
今後は、
- 業界メディア
- 自治体・公的機関
- パートナー制度
- 導入事例
- 顧客事例
- 外部プロフィール
なども少しずつ整えていく予定です。
AIO / LLMOは「攻略」ではなく、情報整備に近い
1か月取り組んでみて感じているのは、
AIO / LLMOは、
「ChatGPTに出るための裏技」
を探すものではないということです。
むしろ、
自社の情報を、誰が見ても分かる状態に整理する
ことに近いと思っています。
例えば、
- 何をしている会社なのか
- 誰向けなのか
- 料金はいくらなのか
- どんな実績があるのか
- どんな技術を使っているのか
- どのくらいの期間がかかるのか
- 誰が運営しているのか
を明確にする。
これはChatGPTだけではなく、
Google検索にも、
見込み顧客にも、
営業担当にも、
採用にも、
結局プラスになります。
そう考えると、AIO / LLMOのためだけの施策というより、
Webサイトの情報設計を見直すきっかけ
として捉える方がよさそうです。
次回は2か月目の変化を測定する
今回は1か月時点の測定でした。
現状は、
指名検索
ある程度正確に理解されるようになった
非指名検索
ほぼ存在していない
という状態です。
ここから、
- システム開発ページ
- 法人向け生成AI研修
- すらっと予実管理
- 代表者情報
- 導入事例
などを順次改善していきます。
そして同じ質問を使い、来月も測定します。
AIO / LLMOはまだ変化の速い領域です。
だからこそ、
「これをやれば必ず出る」
という話ではなく、
実際に測り、直し、また測る。
という地道な方法を続けてみようと思います。
半年後に、
「どこまで変わったのか」
を改めて振り返る予定です。
まとめ
今回、AIO / LLMO対策を約1か月行い、20問で測定した結果、
AI引用率は15%
でした。
ただし内訳は、
- 指名検索:3 / 4
- 非指名検索:0 / 16
と大きく分かれました。
つまり、
自社を知っている人向けの情報整備は進んだ。
一方で、
まだ知らない人がAIで会社を探したときの候補には入れていない。
という状態です。
次の目標は、単純に「引用率を上げる」ことではありません。
まずは、
- AI駆動開発
- 仕様書なし開発
- 法人向け生成AI研修
- 予実管理
といった、自社が実際に提供している領域で、
非指名検索から候補に入る状態
を作ること。
そして、1か月単位の数字だけでは判断せず、
半年程度のスパンで定点観測する。
AIO / LLMOについては、弊社自身も実験しながら取り組んでいます。
今後も測定結果や、実際に効果があった改善内容について公開していきます。