AI時代の追い風ラジオ。
この番組は、AIが当たり前になった時代に、つくる、はたらく、そだてる人の追い風になる話を、ゆるく、でも現場目線で考えていく番組です。
ハヤテ君
よし、問い合わせ対応はAIに任せよう!
ハヤテ君
メールも、チャットも、電話メモも、ぜんぶAIが返信!
エージェント
完璧です! 自動返信します!
カナちゃん
……えっ。
カナちゃん
間違った内容を、お客さんに送っちゃったらどうするんですか?
ハヤテ君
あ……。
テイル先輩
お、今日もいいところに引っかかったね。
テイル先輩
今日は、問い合わせ対応をAI化する前に、何を整えるべきかを考えてみようか。
① 問い合わせは、思ったより散らばっている
第10回のテーマは、「問い合わせ対応をAI化する前に、問い合わせ管理を整えよう」。
AIチャットボット、自動返信、FAQ自動生成。便利そうな言葉はたくさんあります。
でも、問い合わせ対応の現場では、その前に見ておきたいことがあります。
社長
うちも、問い合わせ対応をAI化したいんですよ。
社長
毎日似たような質問が来るので、AIが自動で返してくれたら助かるなと。
担当者さん
たしかに助かるんですが……。
担当者さん
今、問い合わせがメールにも来ますし、フォームにも来ますし、たまに電話メモもあります。
担当者さん
あと、営業さんに直接メッセージが来ることもあって……。
ハヤテ君
じゃあ、それ全部AIに見せればいいっしょ!
カナちゃん
えっと……その前に、全部どこにあるか把握できてますか?
ハヤテ君
……あ。
テイル先輩
そう。問い合わせ対応のAI化って、AIに返事をさせる話の前に、まず問い合わせが見えているかの話なんだよね。
② 自動返信の前に、まず管理
カナちゃん
問い合わせが見えている、というのは、どういう状態ですか?
テイル先輩
たとえば、今どんな問い合わせが来ているか。
テイル先輩
誰が担当しているか。
テイル先輩
返事は済んでいるのか、確認待ちなのか、対応中なのか。
テイル先輩
似た問い合わせが過去にあったのか。
テイル先輩
そして、どの回答が正しかったのか。
ハヤテ君
あー、なるほど。
ハヤテ君
つまり、AIに返事させる前に、問い合わせ台帳がいるってこと?
テイル先輩
そうそう。すごくざっくり言えば、問い合わせ台帳。
カナちゃん
でも、それってExcelでもできますよね?
テイル先輩
最初はExcelでもいい。
テイル先輩
ただ、件数が増えてきたり、複数人で対応したり、お客さんへの返答履歴を残したくなったら、専用の仕組みを考えた方がいい。
担当者さん
たしかに、今は「誰かが返したはず」みたいなことがあります。
担当者さん
でも、あとから見ると、誰がいつ返したのか分からないことがあって。
ハヤテ君
それは……怖いな。
テイル先輩
問い合わせ対応は、速さも大事だけど、抜け漏れがないことも大事なんだ。
③ 「AIが全部返す」は、ちょっと早い
ハヤテ君
でもさ、よくある質問なら、AIが勝手に返してもいいんじゃない?
エージェント
よくある質問に、よくある回答を返します!
カナちゃん
その「よくある回答」が、古かったらどうなります?
ハヤテ君
古い?
カナちゃん
料金が変わっていたり、受付条件が変わっていたり、担当部署が変わっていたり。
カナちゃん
それをAIが古い情報のまま答えたら、困りませんか?
ハヤテ君
……困る。めちゃくちゃ困る。
テイル先輩
AIの回答品質は、AIだけで決まるわけじゃない。
テイル先輩
元になる情報が整理されているか。最新版が分かるか。誰が承認した回答か。
テイル先輩
そこが曖昧なまま自動返信すると、速く間違える仕組みになってしまう。
エージェント
高速に返信します!
テイル先輩
高速に間違えるのは、ちょっと困るね。
④ 問い合わせを“育てる”とFAQになる
テイル先輩
じゃあ、問い合わせ対応を整える順番を考えてみよう。
テイル先輩
まず、問い合わせを一か所に集める。
テイル先輩
次に、種類ごとに分類する。
テイル先輩
そして、担当者とステータスを決める。
テイル先輩
最後に、回答履歴を残す。
カナちゃん
ステータスというのは、未対応、対応中、確認待ち、完了、みたいなものですか?
テイル先輩
そう。それだけでも、抜け漏れはかなり減る。
ハヤテ君
分類は、どんな感じ?
テイル先輩
たとえば、料金、納期、使い方、不具合、解約、請求、社内確認が必要なもの。
カナちゃん
あ、分類できると、よく来る問い合わせも見えそうですね。
テイル先輩
そこが大事。
テイル先輩
問い合わせは、ただ処理して終わりじゃない。
テイル先輩
ちゃんと残すと、FAQの材料になる。
ハヤテ君
おお。問い合わせがFAQに育つのか。
テイル先輩
そう。しかも、AIはそこが得意なんだよね。
カナちゃん
自動返信じゃなくて、FAQ候補を作ってもらう?
テイル先輩
いいね。たとえば、「この1か月の問い合わせを分類して、よくある質問の候補を出して」と頼む。
テイル先輩
あるいは、「過去の回答をもとに、返信案を作って。ただし、お客さんに送る前に人間が確認する」と決める。
ハヤテ君
あー、なるほど。AIを返信係にする前に、下書き係にするんだ。
テイル先輩
そうそう。最初は、下書き、要約、分類、FAQ候補。
テイル先輩
慣れてきたら、低リスクな問い合わせだけ自動化を考える。
⑤ 問い合わせには、機密情報が混ざる
カナちゃん
もうひとつ気になることがあります。
カナちゃん
問い合わせって、名前、メールアドレス、注文番号、契約内容みたいな情報が入りますよね。
カナちゃん
それをAIに見せてもいいんでしょうか。
ハヤテ君
……たしかに。普通に個人情報あるな。
テイル先輩
ここはすごく大事。
テイル先輩
問い合わせ対応をAI化するときは、どの情報をAIに渡していいかを決める必要がある。
テイル先輩
個人情報、契約情報、社外秘の内容。こういうものは、扱い方を決めずにAIへ丸投げしない。
エージェント
すべて読み込みます!
テイル先輩
読み込む前に、ルール確認しようか。
担当者さん
たしかに、お客さんの情報が入るので、そこは怖いです。
テイル先輩
だからこそ、最初から自動返信ではなく、まず管理。
テイル先輩
どんな問い合わせがあり、誰が見て、どこまでAIに手伝わせるのか。
テイル先輩
そこを決めてから、AIを入れる。
⑥ 最初に整える5つのこと
ここで、問い合わせ管理を整えるための最初のチェック項目を整理します。
テイル先輩
ひとつ目。問い合わせの入口を整理する。
テイル先輩
メール、フォーム、電話、チャット、担当者への直接連絡。どこから来ているかを見る。
カナちゃん
ふたつ目。問い合わせを一覧で見えるようにする。
カナちゃん
受付日、内容、分類、担当者、ステータス、回答期限を残す。
ハヤテ君
みっつ目。よくある問い合わせを分類する。
ハヤテ君
料金、納期、使い方、不具合、請求、解約、みたいに分ける。
テイル先輩
よっつ目。回答履歴を残す。
テイル先輩
誰が、いつ、何を返したのか。あとから見返せるようにする。
カナちゃん
いつつ目。AIに任せる範囲を決める。
カナちゃん
分類だけなのか、要約までなのか、返信案までなのか、自動返信まで行くのか。
テイル先輩
そして、自動返信まで行くなら、どの問い合わせなら自動で返していいかを決める。
テイル先輩
逆に、クレーム、契約、返金、個人情報、判断が必要なものは、人間に渡す。
ハヤテ君
これ、いきなり完璧な問い合わせシステムを作るというより、まず一覧で見えるようにするところからでいいんだな。
テイル先輩
そうそう。最初から全部自動化しなくていい。
テイル先輩
まずは、問い合わせが迷子にならない状態を作る。そこからで十分なんだ。
今日のまとめ
今日のまとめです。
テイル先輩
ひとつ目。問い合わせ対応をAI化するとき、いきなり自動返信から始めると危ない。
カナちゃん
ふたつ目。まずは問い合わせを集めて、分類して、担当者と対応状況が分かるようにする。
ハヤテ君
みっつ目。AIは、返信係の前に、分類、要約、返信案、FAQ候補づくりから使う。
エージェント
FAQ候補、生成します!
テイル先輩
うん、それはいい使い方。
テイル先輩
問い合わせ対応をAI化するというのは、お客さんへの返事をAIに丸投げすることじゃない。
テイル先輩
お客さんを困らせないために、情報の流れと、人間が判断する場所を整えること。
テイル先輩
そこまで整ってから使うAIは、ちゃんと現場の追い風になる。
AI時代の追い風ラジオ。第10回は、「問い合わせ対応をAI化する前に、問い合わせ管理を整えよう」でした。
それではまた。あなたのつくる、はたらく、そだてるに、よい追い風が吹きますように。