FDEとコンサルティングの違い|考えるだけでなく、一緒につくるエンジニアという働き方

最近、AIの分野で「FDE」という言葉を聞く機会が増えてきました。

FDEとは、簡単にいうと、

お客様の業務を理解し、課題を一緒に考えながら、必要な仕組みを実際につくるエンジニア

のことです。

ここまで聞くと、

「それってコンサルティングと何が違うの?」

と思う方もいるかもしれません。

実際、FDEとコンサルティングには共通する部分がたくさんあります。

お客様の話を聞く。

業務を整理する。

課題を見つける。

改善方法を考える。

ここまでは、とてもよく似ています。

大きな違いは、その先です。

コンサルティングは「どうすればよいか」を考える

一般的なコンサルティングでは、会社が抱えている問題を整理し、

「どこに問題があるのか」

「どう変えるべきなのか」

「どんなシステムを導入すべきなのか」

といったことを考えます。

たとえば、

「AIを会社に導入したい」

という相談があったとします。

まず現在の業務を調べ、

どんな作業に時間がかかっているのか。

どの部署から始めるべきか。

どんなAIサービスが使えるのか。

どの程度の費用対効果がありそうなのか。

といったことを整理して、

「まず、この業務から始めましょう」

という方針を作ります。

このように、

会社が進む方向を整理する

ことがコンサルティングの大きな役割です。

FDEは、そこから実際につくる

FDEも、最初にやることはよく似ています。

お客様の話を聞き、仕事の流れを確認し、どこに課題があるのかを考えます。

ただし、

「こうした方がいいと思います」

で終わりません。

たとえば、

「この作業はAIで自動化できそうです」

となったら、

実際に小さな仕組みを作って試してみます。

そして現場の人に使ってもらい、

「思ったより使いにくかった」

「ここは自動化しない方がよかった」

「この情報も一緒に表示してほしい」

といった意見を聞きながら、改善していきます。

つまり、

考えるところから、実際に使える状態にするところまで関わる

のがFDEです。

OpenAIではFDEを、顧客と一緒にAIを本番環境へ導入し、課題発見から設計、開発、導入まで一貫して担当する役割として説明しています。

たとえば、こんな違い

ある会社で、

「問い合わせ対応に時間がかかっているので、AIを使いたい」

という相談があったとします。

コンサルティングでは、

現在の問い合わせ件数を調べ、

どんな質問が多いのかを分類し、

AIチャットを導入する場合の費用や効果を整理します。

そして、

「まず社内向けの問い合わせからAI化しましょう」

という計画を作るかもしれません。

FDEもここまでは同じです。

ただ、その後、

実際の社内資料を使って、

簡単なAI検索を作ってみる。

10人くらいに使ってもらう。

回答が正しいか確認する。

うまく答えられなかった質問を調べる。

必要なら仕組みを修正する。

そこまで一緒に行います。

つまり、

提案書を作って終わりではなく、動くところまで持っていく

という違いがあります。

FDEには幅広い知識が必要

ここがFDEの面白いところであり、難しいところでもあります。

FDEはプログラミングだけできればよい、という仕事ではありません。

まず、お客様の仕事を理解する必要があります。

そのためには、

  • 業務の流れを聞き出す力
  • 問題を整理する力
  • 本当に解決すべき課題を見つける力

が必要です。

そして解決方法を考えるためには、

  • AI
  • Webシステム
  • データベース
  • クラウド
  • API
  • セキュリティ
  • 既存システムとの連携

など、幅広い技術知識も必要になります。

さらに、実際につくるとなれば、

設計し、プログラムを書き、テストし、運用まで考えなければなりません。

PalantirでもFDEは、顧客の中に直接入り、課題理解からシステム構築まで担当するエンジニアとして長く位置づけられてきました。

そのためFDEは、

コンサルタントでもあり、エンジニアでもあり、時にはプロジェクトを進める役割も担う

という、かなり横断的な仕事になります。

すべての技術を知っている必要はない

とはいえ、

「そんなに幅広い知識が必要なら、一人では無理なのでは?」

と思うかもしれません。

もちろん、すべての技術を完璧に知っている必要はありません。

大切なのは、

何が分からないのかを判断できること

です。

たとえば、

「これはネットワークの専門家に確認した方がいい」

「この部分は既存サービスを使った方がよい」

「ここだけ別のエンジニアにお願いしよう」

と判断できればよいのです。

FDEが全部を一人で抱えるのではなく、

お客様と技術者の間に立って、解決まで前に進める

という考え方に近いでしょう。

なぜAI時代にFDEが増えているのか

FDEが注目されている背景には、AIの普及があります。

2026年にはFDEの求人が急増しており、OpenAI、Anthropic、Palantirをはじめ、多くのAI企業がFDE人材を増やしています。報道では、2026年4月のFDE求人は前年同月比で大幅に増えたとされています。

AnthropicもDXC Technologyとの提携で、顧客企業の中に入りClaude導入を支援するFDEを大規模に育成する方針を発表しています。

AIは、導入するだけではなかなか成果につながりません。

どの業務に使うのか。

どのデータを使うのか。

どこまでAIに任せるのか。

間違えたときはどうするのか。

既存システムとどうつなぐのか。

そして、社員にどう使ってもらうのか。

会社ごとに考える必要があります。

そのため、

AIに詳しいだけでも足りない。
業務に詳しいだけでも足りない。
プログラムを書けるだけでも足りない。

その間をつなげる人が必要になっています。

コンサルとFDE、どちらが良いのか

これは、どちらが優れているという話ではありません。

たとえば、

「全社のDX戦略を考えたい」

「中期的なIT投資計画を整理したい」

という場合には、コンサルティングが向いています。

一方、

「この業務をAIで改善できないか」

「実際に小さく作って試してほしい」

「現場と一緒に改善しながら進めたい」

という場合には、FDE型の支援が向いています。

簡単に整理すると、

コンサルティング = 何をするべきかを一緒に考える

FDE = 何をするべきかを一緒に考え、そのまま実際につくる

という違いです。

相談と開発の間を埋める存在

これまでのシステム開発では、

相談する会社。

要件をまとめる会社。

システムを作る会社。

それぞれが分かれていることも少なくありませんでした。

しかしAIを使った業務改善では、

最初から正解が分からないことも多くあります。

実際に試してみて、

使ってもらい、

そこから考える。

そうした進め方が必要です。

FDEは、

相談と開発の間を埋める存在

ともいえるでしょう。

私たちも、

まずお客様の仕事を理解し、

既存のサービスで解決できるならそれを使い、

小さく試せるなら試し、

必要になったところだけを作る、

という進め方を大切にしています。

FDEという言葉自体はまだ馴染みがないかもしれません。

ただ、

「考える人」と「つくる人」を分けずに、一緒に仕事を改善していく。

そんな支援の形は、これからAIを企業で活用していくうえで、ますます重要になっていくのではないでしょうか。

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